大阪雑感
大阪に住みはじめて6年がたった。
住みはじめて2、3か月のころ、パンクを自転車屋に直してもらったら「はい、500万円ね」と言われてもじもじするしかなった。こんなところでやっていけるのだろうかと心配になった。
そうかと思えば電車の中で妊婦に席を譲ったおっちゃんが「ありがとうございます」とお礼を言う妊婦に「100円やで」と粋なことを言っている場面を目にした。
夏休みに看板持ちのバイトをしたことがある。どこそこで好評分譲中と書いてあるプラカードをベットタウンの歩道でひたすら持ち続けるというバイトだ。パイプイスに座って朝から夕方までプラカードを持っていればいいだけだが、真夏の日本でこれはなかなか辛い。炎天下の中、帽子も被らずだらだら汗を流している自分を心配して、「にいちゃん、暑いやろ」と言ってタオルと帽子をくれたおばあさんが現れた。もちろん、知らない人。もらった帽子はグレーの丸いつばの帽子だった。いかにもおばあさんが被るような帽子で裏側は少し黄ばんでいた。それでも嬉しくてすぐ友達に報告した。
バラエティー番組ではアクの強い面ばかりが強調されるけどそんな人たちばかりではない。まだまだ住んでいけそうだ。