水溜り日記

日々の記録を。

承認

「生き延びるためのラカン」が面白かったので、引き続いて斉藤環さんの「承認をめぐる病」を読んだ。

著者は学校空間において「キャラ」が重要と説く。キャラとは例えば「いじられキャラ」、「天然キャラ」、「オタクキャラ」などである。そのキャラの母体は何かというと「スクールカースト」と「コミュニケーション格差」である。カーストを決定づける要素は容姿や運動能力もだが、一番はコミュニケーション能力。ここで言うコミュニケーション能力とは相手を尊重した成熟したコミュニケーション能力を指すのではないらしい。実際、スクールカーストの最上位に位置する子どもは「ボケキャラ」か「ツッコミキャラ」だそうだ。どちらかと言うと自己完結した表現ということなのだろうか。いずれにしろ、このカースト制度にいじめへの萌芽があるとする。本人がどんなに「いじられキャラ」が嫌でも教室内で居場所を得るにはその承認されているキャラに甘んじるしかないそうだ。

僕の高校時代にもこの理論は当てはまる部分が多いから全く的外れでは無いと思う。それにしてもこれが本当なら学校空間というのはかなり弱肉強食な世界だな。個人的にはそのスクールカーストが生まれる社会的な原因やいつからそんな状況になってきたのかが気になるところだ。

のぶた。をプロデュース」が再放送されているが、あれが放送されていたのが2005年だそうだ。このドラマも一軍の生徒が三軍の生徒を一軍キャラにプロデュースしていくという理解でいいと思う。主人公の桐谷修二はいかにしていじめられっ子ののぶたに「キャラづけ」していくかを腐心する。

という事は、少なくともSNSの普及が主な原因ではないのか。でもこのくらいの世代の子もケータイでmixiとかホームページ持ってたんじゃないか。うーん、いつからなんだろうか。