大学雑感
大学は法学部に入ったけれど、気質からみたら文学部だったのだろう。受験生だった僕は「文学部じゃあ就職口が無いだろうなあ」と知ったような事を考え、法学部を受験した。
入学後もまじめに勉強した。一方で、法学部生のキザさと言うか、薄気味悪い意識の高さにはどこか冷めた目で見ていた。大学生活では次第に、夏目漱石やドストエフスキーなどの小説に耽溺するようになった。その頃から仲のいい文学部の友だちができた。
法学の勉強をすればするほど、教室からノートと六法を抱えて走り回る秀才たちを見て嫉妬や劣等感は増していった。一方で、僕は彼らを羨望の眼差しで見ていたのだと思う。そんな矛盾した気持ちを整理することができず、モヤモヤした憂鬱を抱えながら生活していた。
それでも院に進んで法学を続けようと思っていた。ただ、そう思えば思うほどこれでいいのか?という青臭い疑問は深まり、結局、院に進む事を辞めて就職することにした。
その頃自分は友達に相談もせず一人、孤独に悶々としていた…
くどくど書いてきたが一言で言うと法学を続けることに「ひよった」というのが適切なのだろう。
でも「ひよった」だけでは言い切れない何かがあるのだとも思うのだ。
「楽しい、苦しい、大好き、キモい、恥ずい…」こんな単純な言葉で説明できてた18歳までとは明らかに違う自分になってきた。
「楽しいけど不安…」なんだか対義語が常にセットになっている感覚がつきまとう。思春期過ぎても20代は20代で青臭いよく分からない気持ちを抱えるのかな。