水溜り日記

日々の記録を。

子どもは風の子

宮沢賢治の小説に「風の又三郎」という作品がある。

山あいにある小学校に引っ越してきた三郎はその独特な風貌から級友たちから風の神と噂される。三郎と子供たちが山遊びから生じる危険を乗り越え、成長する過程を描いた物語である。物語終盤、子供たちは意地悪で三郎を疎外してしまう。その後三郎は突然転校してしまい、子供たちは三郎と二度と遊べなくなってしまう。子供の一人である嘉助は「三郎はやはり風の神だった」と結論し、物語は終了する。

子供たちが困難を乗り越え、子供から脱皮する代償として、「風の神」とは遊べなくなってしまうという通過儀礼を象徴的に描いた作品である。

幼少期や思春期など特定の時期に人は心の大変革、つまりは通過儀礼を経験する。

突然、大人として扱われ、大人の常識を突きつけられ戸惑っている社会人一年目はまさに通過儀礼の時なのかもしれない。

うっかり本音を言うと仕事を舐めてるのか?とか失礼だ!なんて言われてきた。腑に落ちない気持ちもあるが、「すみません」と言い続けて4ヶ月。通過儀礼の終了までもう少しなのかな。それともまだまだ続くのかな。いずれにせよ、通過儀礼の終了とともに何かを得る代償として何かを失うんだろうなあ。

 

あっ、今日火星が大接近するんだよね。

 

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